子供の通知表が悪くて、心配……。このままで大丈夫なの?受験への影響は?
このように、通知表の結果をきっかけに、子供の学力に不安を覚え始める保護者の方は多いものです。
そこで今回は、子どもの成績が心配な保護者の方に向けて以下のことを解説していきます。
・通知表の評価の仕方
・評価が悪い理由
・通知表を良くするために親が出来ること
・通知表の受験への影響(内申点について)
本記事を読めば、通知表について理解が深まるとともに、具体的な対策方法が分かります。受験への影響や内申点対策についてもご紹介していますので、ぜひ最後までご一読ください!
目次
そもそも、通知表って何を基準に評価されるの?
そもそも、通知表がどのように評価が行われるのか、よくご存じでない方も多いのではないでしょうか。はじめに、評価の基準や手法から解説していきます。
評価の「3観点」(小学校・中学校共通)
小中学校の通知表は、2020年度と2021年度にそれぞれ評価の観点が変更されました。
変更前の評価観点は、【①興味・関心、②思考・判断、③技能、④知識】の4つ。
それに対して、今の通知表は【①知識・技能、②思考・判断・表現、③主体的に学習に取り組む態度】の3つ観点に基づいて評価を行っています。
そのため、この記事をお読みになっている保護者の方は、ご自身が学生のときにもらった通知表と、評価観点が別物だということをまず理解しましょう。
注目したいのが、「主体的に学習に取り組む態度」について。これまでの「興味・関心」に置き換わり、子どもの主体性が評価観点に加わりました。
つまり、今の学校ではこれまで以上に子どもの主体性が求められ、「粘り強く取り組もうとする姿勢」や、「自ら試行錯誤しながら学習する姿勢」が、良い評価に繋がりやすくなっているのです。
親世代と評価のされ方も違う。相対評価と絶対評価について
また、親世代の通知表から変わったのは評価基準だけではありません。評価の仕方も変わっています。
これまで、他の生徒と比較して成績を決める「相対評価」という手法をとっていたのに対し、現在は、個人の能力に応じて評価する「絶対評価」という手法が用いられています。
相対評価が取られていた時代は、クラスに優秀な生徒が多くいる場合、勉強があまりできない生徒は自ずと悪い評価をつけられていました。
しかし、今の学校ではクラスの位置付けは関係なく、「個々が基準を満たしているかどうか」「以前からどのくらい伸びたか、改善したか」が評価の対象となります。
このため、今の学校では隣の生徒よりもいい点数がとれたかどうかはあまり重要ではありません。
通知表がいまいち……。考えられる3つの理由
評価の観点や手法の変化を受けて、ではなぜ、子どもの通知表がいまいちなのか、次にその理由を探っていきましょう。
1.授業中の態度に問題がある
まず考えられるのが「授業中の態度」に問題があるパターン。
問題があると聞くと、授業中に居眠りをする、椅子にふんぞり返る、先生への言葉遣いが悪いなどといった生徒を真っ先に思い浮かべるかもしれません。
しかし、見逃してはいけないのが「授業への積極性」。
授業もしっかり聞き、真面目に取り組んでいても、授業中に積極的に挙手や発言をしない生徒では、主体性に欠けると判断され評価が下がってしまうおそれがあります。
実際、いつもテストで100点をとっている生徒が「5」や「◎」の評価をもらえなかったという事例を耳にします。そのような生徒はほとんどの場合、授業中に発言をあまりしない、グループワークに積極的に参加しないなどの様子が見られます。
2.学校生活のルールを守れていない
学校生活のルールが守れていないことが通知表の成績に直結していることもあります。
例えば、小学生によくあるのが、以下のようなこと。
・授業が始まっても遊んでいる(時間を守れない)。
・廊下を走る。
・持ってきてはいけない漫画やゲームを持ってきてしまう。
・与えられた当番をやらない。
・身の回りの整理整頓ができていない。
中学生においては、校則の理解も必要になってきます。
一見成績とは関係なさそうな生活面での問題も、通知表に反映されることを知っておきましょう。
3.成績が一定基準を満たしていない
「授業の理解度が低い」「テストの点数がいつも悪い」
このような生徒も、もちろん通知表の評価が悪くなります。
絶対評価の形式をとる今、評価の基準値は現場の先生の判断に委ねられますが、通知表で良い評価を取るためには、安定した成績を取れていることが何よりも大切です。
通知表を良くするために親ができること5選
では、通知表を良くするためには具体的にどのようなことをしていけばいいのでしょうか?親ができることを5つご紹介していきます。
1.親子で通知表を振り返る
まず、通知表を受け取ったら、親子で一緒に振り返りましょう。
通知表は、子どもが得意なことや苦手としていることを客観的視点で知ることができるツールであり、振り返ることで今後の課題も明確にすることができます。
ポイントは、褒めること。
ついつい通知表を手にすると、評価が悪いところばかりに目がいきがちですが、高評価な部分にも目を向け、日頃の頑張りを褒め称えてあげることが大切です。
そのうえで、評価がいまいちだった部分への対策を一緒に考えていくと、子ども自身も気負わず一緒に通知表を振り返ることができます。
2.来学期の目標を設定する。所見に改善のヒントあり!
振り返りができたら、具体的に目標を決めます。
次の目標を設定しなければ、きっと次の学期も同様に過ごすことになるでしょう。先生からの所見(コメント)を参考にしつつ、親は子どもの話にしっかり耳を傾け、具体的に目標を決めましょう。
例えば、テストの点数が良いにも関わらず、評価がいまいちだった場合は、「次学期は、授業中に挙手や発言を増やしてみよう!」などのアドバイスを。
そもそも、苦手な教科がある場合は「テストでできなかった問題は、必ず復習するようにしよう!」などの提案をするといいでしょう。
来学期で良い評価を取るためにも、通知表とよく向き合い同時に次の目標を設定することが大切です。
3.不得意なことは親ができるだけサポートを
なんでもかんでも完璧にこなせる子どもはいません。子どもの性格をふまえ、不得意なことはできる限り親がサポートしてあげましょう。
例えば、忘れ物や提出物に関しては、親の声かけによって防ぐことができます。また、テスト勉強の仕方が分からない子には、親が一緒に勉強計画を立てたり、進捗を確認してあげたりすることで、徐々に子どもがテスト勉強のコツを掴んでいきます。
ただし、親がなんでもかんでもやってあげるのはNG。あくまでも主役は本人です。一人でできるようになることを前提に、親はサポート役に徹しましょう。
4.苦手科目を放置しない
子どもの苦手科目は、気づいた時点で早めに対処してあげることが大切です。特に積み重ね教科と言われる、算数(数学)や国語、英語は、放置した時間が長いほど取り返すにも時間がかかります。
「テストの成績が悪い。」
「子どもが苦手意識からか勉強したがらない。」
「学校の授業についていけないと言っている。」
子どもにこのようなサインがあるときは、親は放置せずにすぐに対処してあげましょう。
5.塾に通うことを検討する
通知表の成績が悪い場合、塾に頼るのもおすすめです◎
苦手科目の克服はもちろん、塾によっては通知表対策の相談にのってくれるところもあります。学年が上がれば上がるほど、親が自宅でサポートできることにも限りが出てきます。思い切って、専門家がそろう学習塾に任せてみるのもいいでしょう。
通知表の受験への影響
通知表の成績を心配する保護者の方のなかには、受験への影響を気にされている方も多いのではないでしょうか?
いわゆる「内申点」というものです。
一般的に、通知表の成績は点数化され、内申書として受験先へ提出されます。
そのため、受験を少しでも優位に進めるためには、内申点を少しでも上げておくことが大切といわれています。
結論からいいますと、通知表の良し悪しは、受験へ少なからず影響があります。
詳しくは、「岐阜県の受験生必読!「内申点」の仕組みや計算方法、合否への影響まで
」の記事で解説していますが、特に公立の学校への受験を希望している生徒や、推薦入試を目指している方は、内申点対策をやっておくに越したことはないでしょう。
影響があるのは主に以下の生徒です。
影響がある生徒
・公立の中高一貫校に受験予定の小学生
・公立私立問わず高校受験予定の中学生(私立は学校によっては重視しないことも)
・推薦入試を目指している中学生
・推薦入試を目指している高校生
「通知表が悪いと高校に行けない」はホント……?
生徒のなかには通知表が悪くて「高校に行けないのでは?」と不安になっている方もいるようです。
もちろん、通知表が良い方が選べる学校の選択肢は増えます。しかし、内申点をそこまで重要視しない学校もあれば、そもそも内申書の提出を求められない学校もあります。
特に私立は公立よりも学力を重視する傾向があります。そういった学校を狙って受験すれば、高校に入学できるチャンスは多いにあるでしょう。諦めずに直前まで対策することが大切です。
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