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関市にある学習塾、東進ゼミナール関校高校部です。
勉強を好きだ！と断言できる人はきっと少ないと思います。中にはそんな奇特な人もいるかもしれません。でも受験に繋がる勉強は基本的にしんどいですよね。
太宰治は「人間失格」や「斜陽」で有名な文豪です。 教科書で「走れメロス」を読んだことがある人は数知れず、名前は皆さんご存じだと思います。
太宰治の出身校を知っていますか？「 東大」です。天下の「東京大学」ですね。 ある一定の時期に活躍している文豪は東大に通っていた人がめちゃくちゃ多いんです。文豪派閥があるくらいです。東大の文豪は「新思潮」派閥。川端康成や横光利一、芥川龍之介などが有名です。
学習院大学の文豪派閥もあります。こちらは「白樺」といって武者小路実篤や志賀直哉が有名ですね。 とはいえ太宰治はすこしそれより後に生まれた世代の人なので、新思潮派閥というよりは「無頼派」というあんまりどこにも属していない的な文豪でした。
太宰治が東大に入った理由、それこそが今回の推し活の話となります。
現代は猫も杓子も推し活ブームですが当時はそんな言葉は存在しません。けれども現代風に言うのであれば太宰治にも「推し」がいました。 彼の最推しは「芥川龍之介」。死ぬほど心酔して彼のノートには芥川龍之介芥川龍之介芥川龍之介、とひたすら書かれたものがあったりします。気の毒に、有名になってしまうと後世にこんな黒歴史を「資料」として公開されてしまうんですね……彼は学生時代に芥川龍之介の公演会にもうきうきで足を運んでいます。今でいうところのアイドルのコンサートを見たような高揚感だったでしょう。
芥川龍之介は東大の人間だったので、もちろん彼は推しのために「東大に行く！！！！！」と東大を目指します。推し活の度合いが凄い。 フランス語なんて学んだこともないのに、芥川龍之介がフランス語に興味を持っているらしいと聞いて東大仏文科を目指すんです。当時仏文科は人気がなく受験者数が少なかったので広き門でした。入試が無いというミラクル！羨ましい限りですね。（でも太宰の入学する年だけ入試があって、太宰は頼み込んで入試をせずに入学したそうです。推しのためならえんやこら精神）
しかしながら、太宰は推しのために東大に入ったというのに、当の本人芥川龍之介は自死を選んでしまいました。太宰は大変なショックを受けたそうです。 講演会に足を運び自らも小説を書き東大仏文科まで入って推し活を極めたというのに気の毒すぎる結末です。
芥川亡き9年後に芥川賞が設置されたとき、太宰は息を吹き返したかのように芥川賞に意欲を向けます。文学の師匠である佐藤春夫に4メーター近くもある「芥川賞ください！！」の手紙を送り、芥川賞を得ることで推し活を完成しようとしたのです。しかしながら落選、選考委員の川端康成に送った「刺す」（お前を殺す！くらいの意味）という書面は有名ですね。今だったら脅迫罪で裁判沙汰では？という過激さです。それもこれもすべて芥川のすべてが好きだったからでしょう。真似なくてもいいのに心中まで真似てしまいました。（芥川も本来は心中の予定でしたが相手が約束の時間に来なかったので一人で逝ったそうです）
ここまでの執念を見せろとは言いませんが「推し」の持つ力はすごいのではないかと太宰の逸話を読むたびに思います。
今はアイドルでも大学卒の方が多いですし韓国のアイドルに至ってはもっと学歴社会を重視されていますよね。なにか好きなものがひとつでもあったほうが人生は頑張れるのではないかと思います。
「好きなもの」が少しでもあったらそれはきっと自分の支えになってくれるのではないでしょうか。 好きなものがあったら是非聞かせてください！ 勉強を頑張る力に寄り添えたら幸いです。
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