関市にある学習塾、東進ゼミナール関校 高校部(東進衛星予備校 関西木戸校)です。
川端康成の「伊豆の踊子」を読んだことはありますか? 主人公が旅の途中で踊り子の一座と出会い、心境を変化させていく珠玉の名作です。 伊豆の踊子を読むと「きちん宿」がよく出現します。
漢字で書くと「木賃宿」となります。ひらがなだと「きちんとした宿?」と思ってしまうかもしれませんが、木賃宿、と漢字で書かれると「木賃」が木の賃金なのかな?と気づくでしょう。 しかし「木の賃金?」と同時に不思議に思うこともあるかもしれません。
伊豆の踊子での主人公は「一高生」です。 一高、というのは旧制高等学校のことでいまで言うところの「東大」です。一があれば二もあって、二高は「東北大学」三高が「京大」、とこれが八高まで続きます。 ちなみに地元名古屋大学=八高なので、名古屋大学の生徒は当時は「八高生」と呼ばれていることになります。
東大生が伊豆で旅をするのが伊豆の踊子なわけですが、東大生ともなればやはりイメージは頭が良くてお金持ち、さぞや良い宿に泊まりながら旅行を続けているのだろう、と思いきや伊豆の踊子では「木賃宿」が出てきます。
なら木賃宿は高くて良い宿??今でいうニューオータニとかの高級ホテル?ディズニーリゾートみたいなとこ?と一瞬思ったりもするかもしれません。 残念ながら、木賃宿はこの歌川広重の絵にもあるように「大衆的な宿」、今は「簡易宿泊施設」と呼ばれるものになります。
木賃=薪代。
電気が無かった当時、火をくべる程度の賃金で泊まることのできる所謂「安宿」が「木賃宿」なんです。一高生がそんな宿に泊まってなにを求めていたのかは伊豆の踊子を読んでない方は読んでみてくださいね。新感覚派と呼ばれた川端康成の描く心境と風景が美しい小説です。
歌川広重の絵にもあるこのきちん宿。実はむかし、センター試験で「この宿はどんな場所か」と四択問題が出題されたことがあります。 伊豆の踊子を読んだ人はすぐわかるかもしれませんし、歌川広重の絵を見たら宿場町のこの状況で察することができるかもしれませんね。
勉強や学習というものは、日々の積み重ねです。 本人が勉強と思っていないところでそれが「知識」として蓄積されるとどこかで花開く場合があります。 勉強は確かに、暗記しなければいけないものもたくさんありますが、暗記以外の場所でも学ぶことはできます。
日々の生活で視点が広がったり学ぶことが増えるようなそんな広い視野を持った人になってほしいと、東進ゼミナールは考えています。 雑談でも全然良いです。今日あったことをぜひ聞かせてください。 楽しく塾に来て、いろんなものを学んでほしいと願っています。
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