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[勉強のなかでPDCAサイクルを回そう!「④DOそしてまたCHECK編」]原マサヒコ

2016年03月24日[教育コラム]

いよいよ本連載も最後となりましたが、改めて「PDCA」について説明をさせていただきます。「PDCA」とはビジネスにおける考え方であり、次の行動の頭文字を取ったものです。

PLAN(計画)
DO(実施)
CHECK(記録)
ACTION(改善)

つまり、「計画をして実施したら、それを振り返って改善に繋げる。そしてまた次の計画を立て、実施していく」というサイクルになっています。これを回し続けることで企業は成長していきますが、これは個人の勉強にも当てはまることだとお伝えしてまいりました。

そして前回は、PLAN(計画)を細かくしっかり立てていきましょう、ということを書かせていただきました。

では、次のDO(実施)では、どのようなことをすれば良いのでしょうか。

▼DO(実施)

DOと聞くと、実行することだから「ただ勉強をすれば良いだけだろう」と思われるかもしれません。しかし、それだけではないのです。

まずは、PLAN(計画)の際に決めた「具体策」を日々の行動に落とし込んでいく必要があります。

「数学の点数を上げるために、この参考書をすべてやろう」と具体策を決めたところで、「とは言っても、部活もあるし、明らかに時間が足りないよなぁ」と難しく感じるケースもあったりします。

そんな時は、その手段と同じ方向性で自分ができることはないかを考えてみるべきです。目標に対して「これは自分には出来ない」とネガティブに考えるのではなく「どうすれば出来るか」と考えるのがポイントといえるでしょう。

いきなりは出来ないとしても、まずは出来ることから着手して、徐々に出来ることを増やしていっても構いません。とにかく前に進むことが重要なのです。

「どうすれば出来るか」を考えながら、行動スケジュールに落とし込んでいく、というのがまずやることです。ここで重要なのは、日常的な行動スケジュールに置き換えていくこと。1か月・1週間・1日単位という行動計画に置き換えていかなければ、実際の遂行イメージはどうしても湧きにくいものです。

「今週は60ページやる」「今日は10ページやる」など、手帳などに具体的な実施項目を書き込めるほど細分化していくと良いでしょう。

これによって、計画段階で掲げた大きな目標も、「じゃあ今日一日、目標に向かって何をすべきか」というところまで落とし込むことになります。このように逆算できてはじめて、目標に向かって動き出すことができるはずなのです。

あとは手帳に書き込んだ通り、毎日行動していけばよいわけです。

なぜここまで手間をかけて行動することにこだわるかといえば、「経験を積み上げること」が重要だからです。人間は、およそ経験のないことはうまくできません。行動して経験を積み上げることで、目標に近づくことができるのです。

▼問題発生時はダブルループを回そう

勉強をしていくなかで、どうしても予期しない問題は発生します。しかもそれは、必ずしも明確な「問題」という形で姿を現さないこともあるでしょう。「何だか上手く解けないな...」「思ったペースで進まないぞ」というような場合です。

そんな時に実施すべきは「ダブルループ」を回すことです。ダブルループとは、問題発生時に考えるべきPDCAサイクルであり、以下のキーワードで表現されます。

Problem Finding(問題発見)
Display(可視化)
Clear(問題解決)
Acknowledge(確認)

問題を明確に発見し、自分だけでなく周囲にも分かるよう可視化する。そして問題の解決にあたって、解決したことを確認して通常のPDCAサイクルに戻る、というわけです。

例えば「勉強のペースが落ちてきた」という問題の場合も「なぜペースが落ちているのか」を明確にします。そこで「家の前で工事が始まって集中力が落ちてきたため」といった理由だとしたら、それを周囲にも伝えて改善策を検討します。

工事業者に連絡して音を小さくできないか伝えるのか、ヘッドフォンなどで回避するのか、そもそも勉強場所を変えてしまうのか、解決策は様々ですが、とにかく問題をしっかりと捉えることが大事です。

▼「忙しい」という言葉に惑わされてはいけない

学校だけでなく部活や塾など「やらなければならないことがたくさんあって忙しい」ということは若い子でも感じたことがあるかも知れません。しかし、ここでよく考えてもらいたいのです。「たくさん」というのは一体いくつあるのでしょうか。そして、いくつなら少ないと言えるのでしょうか。

慣れない科目は解くのが難しいと感じますし、突発的なイベントごとがあったりすると、ついつい「たくさん」などと思い込んでしまいがちです。

しかし、冷静に考えればそこまで大げさな話ではないはずです。これは、計画時に優先順位をつけなかったが故に「結局は何も進まない」という思考停止状態を招いているのです。

これを防ぐためには、ダブルループでも出てきた「Display(可視化)」です。今やるべきことを書き出して、どれが大事か、どれを急がなきゃいけないか、ハッキリさせればいいのです。サラリーマンでもできていない人が多いですが、やるべきことに優先順位をつけて対応していきましょう。

▼勉強の方法だけを磨くのでなく、「心」の持ちようや「体」の状態も重要

なかなか勉強を推し進めていくことやPDCAを最後まで回していくということが出来ないという場合、心の持ちようや体の状態も関係していると言えます。


そもそも「なんでこんなに勉強しなきゃいけないのか」などと考えていては頭に入っていきませんし、体調が悪い場合でも同様でしょう。ですから、DOにおいて意識すべきは、勉強に取り組む際の「心の状態」や「体の状態」を整えることです。

そもそもPDCAを回し続けることは、試験に合格するためだけではありません。勉強に取り組む自分自身のための行為であり、自らのスキルを向上させてくれる考え方でもあるのです。

勉強をしながら自らも成長できるのだから、本来ならば「勉強ができること」に感謝しなければいけないくらいなのです。

ぜひともそんな思いを持ちながらPDCAを回していっていただきたいですね。

 


 

筆者プロフィール 原マサヒコ

 

株式会社プラスドライブ 代表取締役CEO
1996年トヨタ自動車にメカニックとして入社し、5000台もの自動車修理に携わる。技術力を競う「技能オリンピック」で最年少優勝を果たし、カイゼンのアイデアを競う「アイデアツールコンテスト」では2年連続全国大会出場するなど活躍。IT業界へ転身すると、PCサポートを担当したデルコンピュータでは「5年連続顧客満足度No.1」に貢献。現在はWEBマーケティング会社である株式会社プラスドライブを設立し代表取締役に就任。クライアント先のWEBサイト改善やマーケティング施策の推進においてPDCAサイクルを回している。著書に「人生で大切なことはすべてプラスドライバーが教えてくれた」(経済界)、「新人OLひなたと学ぶ どんな会社でも評価されるトヨタのPDCA」(あさ出版)などがある。

 

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