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アフリカの靴

2019年04月01日[学長メッセージ]

 ~ちょっと考え方をプラス発想に変えれば、もっと幸せになれる~

 

 今からかなり前のこと。アフリカのケニアに二人の男が赴任した。二人とも靴のセールスマンであった。セールスマンA氏は、ほとんどの人が裸足で歩いているのを見てこうつぶやいた。「これはだめだ。誰も靴など履いていない。これでは靴が売れるはずがない。すぐさま本社に帰って、この国で靴を売るプランが無謀なことを報告しよう」。これに対し、セールスマンB氏はこう言った。「素晴らしい宝の山を発見したぞ。誰も靴を履いていない。みんなが靴の便利さを知ったら、売れて売れてしかたがなくなるに違いない。早速本社に大量の靴を送らせよう」。その後、A氏とB氏のどちらがビジネスでも人生でも成功したのか言うまでもないだろう。

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 A氏のような考え方をマイナス発想と呼んでいる。

マイナス発想とは、出来ない理由、うまくいかない理由を次から次へと見つけ出し、結局やらないことに落ち着く「ものの考え方」のことである。あまり勉強をしていない生徒に「なぜもっとしっかり勉強しないんだ」と聞くと、次々にその理由をあげたてる。部活で疲れる、弟が邪魔をする、時間がない、眠い、ちゃんとした勉強部屋がない、などなど。それでは部活をやめ弟も邪魔をしなくなったら、一生懸命勉強を始めるだろうか。まずそんなことはない。またいくつもの「やらない理由」が出てくるだけである。このような生徒が学力を伸ばすことはないし、人生に成功することもない。もし学力を伸ばし人生にも成功したければ、ものの考え方をマイナス発想からプラス発想に転換しなくてはいけない。夫婦が互いに相手を見る場合にもマイナス発想に陥っていると思われることがよくある。妻は夫の、夫は妻の悪いところを次々に数え上げて罵り合う。本当は二人とも良いところをいっぱい持っているのに、気づけなくなってしまう。ちょっと考え方をプラス発想に変えれば、もっと幸せになれるかも知れないのに……。

 

 

 B氏のような考え方をプラス発想という。何かをやろうと決めたら、それがうまくいく理由をいっぱい見つけようとする。そして、成功のイメージを心に描いて勇気を奮い立たせる。エネルギーを充満させる。シドニーオリンピックの女子マラソンで優勝した高橋尚子を育てた小出監督は、名著『君ならできる』の中でこのプラス発想の素晴らしい効果を書いている。セブンイレブンを成功させた鈴木敏文氏は、全役員が「日用小物をスーパーより高い値段で売るコンビニエンスストアーは日本では成り立たない」と反対する中で、その成功の要因を次々と数え上げ、事業化に踏み切った。その結果がどうなったかは、誰もがご存じであろう。日本有数の大企業に成長したのである。

 

 

 私は、人間には二通りのタイプがあると思っている。すなわち、プラス発想がいつでも出来るタイプと、常にマイナス発想になってしまうタイプに分かれると思う。勉強でも、仕事でも、家庭生活でも、プラス発想のタイプの人の方がはるかに成功の確率は高いと思うのだが、いかがだろうか。

 

 

東進ゼミナール 学長 飯田陸三著 「何のために学ぶか」より