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ハンディに負けないで!

2018年11月01日[学長メッセージ]

~心の姿勢をプラスにして日々積極的に 乙武洋匡さんのこと~

 

 皆さんは、いろいろなことで悩むことはけっこう多いのではないか。健康のこと、家族のこと、仕事のこと、現実世界に生きていると悩みはつきない。かくいう私もそうである。特に、自分になかなか自信が持てないときはつらい。昔、作家の野坂昭如氏がテレビのコマーシャルで、「ソ、ソ、ソクラテスかプラトンか♪みんな悩んで大きくなった♪」と歌っていたが、本当に人間には悩みはつきない。しかし、大切なことは悩みに負けてしまわないことである。

 

 

 皆さんは、たぶん乙武洋匡さんのことをよく知っているだろう。彼の著書「五体不満足」を読んだ人も多いことと思う。彼は生まれた時から、手も足もなかった。それにもかかわらず、乙武さんはめっぽう明るい。車イスに乗ったままテレビに出演することがあるが、その笑顔は見ている私たちの心までさわやかにしてくれる。幼い頃から負けず嫌いで、友達とよくけんかもしたそうである。彼の唯一の武器は丈夫な歯だったとか!運動会のかけっこにも出場するし、バスケットも得意なスポーツのひとつだったそうだ。手がないから、鉛筆を口にくわえて字を書いた。それでみんなと同じ条件でテストも受けた。大変な学習努力をして、私立大学最難関の早稲田大学も受かってしまった。二○○二年のワールドカップの時も、韓国まで取材に出かけている。なんと二十一試合を取材してまわり、飛行機で十四回も移動している。手も足もないというハンディなんか全然気にしていない様子である。

 

 

 だが、よく考えてみると手足のないハンディは気にならないはずがない。日常生活で想像出来ないくらいの不便さを感じているはずだ。食事にせよ、入浴にせよ、トイレにせよ、想像を絶する困難に日々直面しているはずだ。しかし、彼のすごいところは、そんなことに悩みつづけているよりも、もっと前向きなことに精一杯のエネルギーを使っていることだ。生まれつきのハンディにくよくよしていてもしかたがない。それよりも自分が出来ること、したいことにどんどんチャレンジしていこうと考えている。私は彼のそんな姿勢を見ていて、いつも励まされる。皆さんも様々な悩みはつきないかも知れないが、心の姿勢をプラスにして日々積極的に生きていってほしい。

 

 

 乙武さんが生まれた時、お母さんは手も足もない赤ちゃんを抱き上げて、「まあ、可愛らしいこと」とにっこり微笑んだそうである。乙武さんは物心ついてからこれを知り、がぜん生きる勇気が湧いてきたそうだ。たとえ五体不満足であっても親に心から愛されているという思いが、彼の素晴らしいチャレンジャー精神の根源にあるのかも知れない。

 

東進ゼミナール 学長 飯田陸三著 「何のために学ぶか」より

※一部添削